
「楽園の島 ニューカレドニア」
三好和義は19歳の時、大学の練習船「望星丸」に練習生として乗船した。初めて外国の文化に触れた旅でニューカレドニアを訪れている。その後、三好自身の口から何回も、この航海が「楽園」の旅の原点だったと語られる。
この写真集の後書きでも、その事を書いている。初めて記憶がなくなるまで、ワインに酔った体験。映画のように「ボンジュール」と挨拶する気恥ずかしさ。そして、何よりも忘れられない「海の青のグラデーション」と「砂の白さ」。
それから、時間が経って、写真がデジタルの時代へ突入した21世紀。2002年に三好和義初めてのオールデジタル撮影の写真集として、この本が発表された。
デジタルという新しい技術を軽々と操る。19歳に戻って、気の向くまま撮った作品。「わあ、スゴイ!」という三好の喜ぶ声が聞こえてきそうな写真。楽しい気分になれば、それが写真に反映すると、三好か常々いう言葉。
「天国にいちばん近い島」と言われるウベア島でウキウキしながら海や空を見つめる三好和義と同化できる世界がここにある。
構成・デザイン 鈴木成一