
「鯛の本」
小山裕久は、かのアラン・デュカスも敬愛してやまない世界を代表する日本料理家。徳島で生まれた小山は格別な思いを「鯛」という食材に持っている。
いわく、鯛に魅せられ、鯛に鍛えられたと。
郷土愛に満ちた小山は、徳島・鳴門に「古今青柳」という料亭を構えた。この地だからこそ出来る料理。その愛に満ちた鯛料理の数々を、同じく徳島出身の三好和義が郷土愛で応えて撮影したのが、この写真集。
副題に「鳴門、美味し国から」とあるこの本。見ているだけで、お腹が満たされるような絶品がこれでもかと登場する。
三章に分かれる写真集の二章目は「海山の幸 美味し国から」と題されている。食材に関わるドキュメント。食に関わる人たちの素朴な様子は、自然を大切に、それを活かす料理の源だと分かる。
三好和義の写真集のなかでも貴重なコラボレーション企画。
デザイン・佐村憲一