
『ハワイアンスピリッツ』
「ぼくは南の島が大好きで、今までにタヒチやモルディブの本を何冊もつくってきた。タヒチと繋がっているハワイを、いつかちゃんと撮ってみたいと考えていた。大昔、人々はタヒチやマルケサスからカヌーに乗り、はるばる何千キロもの海を渡ってハワイにやってきたらしい。」
後書きにて著者の三好がこう語っているが、経歴を見てみると20歳の頃にハワイで撮影した事があり、その写真は当時APA(日本広告写真家協会)特選を受賞している。以来、仕事を含めて何度かハワイへは渡航しているが、写真集のために長期間にわたり撮り下ろしたのは今回の『ハワイアンスピリッツ』が初めて。
ハワイの美しい景色はもちろん、スピリッツという題名通り、古代からこの地に宿る精霊を感じさせるような写真も多い。"古典フラダンス"や溶岩流"キラウエア"、あるいはハレアカラの山頂で写した"グリーンフラッシュ"は見た人が幸運になると伝えられる自然の奇跡だという。一般的には、観光地として人混みにあふれたハワイが連想されるが、そのイメージをいい意味で覆してくれるこの『ハワイアンスピリッツ』は、三好の"魂の一冊"である。