「楽園の都 ヴェルサイユ」
三好和義は20代にインドのマハラジャの写真を撮っている。マハラジャの豪華な宮殿に招かれ、その内部から、マハラジ
ャのコレクション、ポートレイトなどを大型カメラ8×10で作品に収めた。誰からの依頼でもなく、自分の宝物として撮影した「マハラジャの楽園」。その撮影を続けるうちに、その頂点であり、原点はヴェルサイユ宮殿であることを知る。
念願していた撮影は2002年に実現する。
300年前の優美な宮中の儀式を頭に思い浮かべて撮ったフランス王朝最後の栄光の館。世界一の観光客を迎える国にあって、今も、その最高の目的地として君臨する、憧れの宮殿。
そのヴェルサイユの魅力をあますことなく撮影した写真集。
一般には、なかなか見ることの出来ない宮殿内のオペラハウス。好奇心いっぱいのマリー・アントワネットの喝采や歌声が聞こえてきそうだ。
この写真集には、素敵なおまけが巻末に付いている。それは、三好和義が偶然譲り受けた木村伊兵衛氏愛用のライカM3。このカメラを操り木村氏へのオマージュとしてパリを撮影。そのモノクロ作品が収められている。
構成・デザイン 十時かの子